雁木でガンガン!!―破壊力抜群の痛快!必殺戦法 (単行本(ソフトカバー))
小暮 克洋 (著),
森内 俊之
雁木戦法について体系的に書かれた数少ない棋書。ガンガン攻めて楽しみたいアマチュアの方にお薦め。
<良いと思った点>
・図面に本物の駒のイメージを使用しており、臨場感がある。
・基本編で全体構造樹形図があるので、全体像がわかりやすい。
・基本編、応用編、技術編と分かれており、応用が利く。
・表現がわかりやすい。ちょっと極端なところもあるが、アマチュア向けにはその方が良い。
<気になった点>
・解説が指し手より遅れ気味。前の頁に戻って指し手を見ることがしばしば。
・棋譜で”上”を誤って”直”と書いている箇所が散見される。
江戸時代以来の歴史を有する雁木戦法の基本的な狙い筋につき、広く解説した一冊。
「雁木の神様」の異名をもつアマ強豪の著書だけに、信頼性は十分。
ただ、有段者の対局においては、この本の通りに進むことはまず考えられないだけに、雁木マスターになるためにはそれなりの自助努力が必要か。
序盤戦術が複雑に進化した現代将棋においても、居飛車党の後手番の変化技、あるいは振り飛車党の奥の手など、雁木戦法の活躍できる場面は今なお幅広く、その意味で本書は一読の価値がある。また、値段も比較的リーズナブル。
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